2012年7月14日土曜日

「揺るがぬ存在となった韓国経済の脆弱性」:中国どっぷりのツケ

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/14 12:39
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/14/2012071400571.html

韓国の成長率、2%台に低下か

韓国銀行(中央銀行)が今年の経済成長率予測値を3.5%から3.0%に引き下げたことで、成長率が2%台に低下する事態が目前に迫った。
韓銀のシン・ウン調査局長は13日、
「欧州地域の先行き不透明感で下振れリスクが高い。
成長率が3%を下回る可能性もある」
と述べた。
既に野村証券とスイス系のUBSは、成長率予測をそれぞれ2.7%、2.9%に引き下げた。

仮に韓国経済が韓銀の予測通り3%の成長にとどまれば、2009年の0.3%以来の低成長となる。
3%台後半と推定される潜在成長率(生産活動に必要な要素をフルに利用した場合に達成される仮想成長率)を大きく下回ることになる。

韓銀の予測値は、韓国政府や国内外の機関の予測値に比べ悲観的な数字だ。
先月時点で企画財政部(省に相当)は3.3%、国際通貨基金(IMF)は3.25%、経済協力開発機構(OECD)は3.2%を予測した。

韓銀が成長率予測を大幅に引き下げたのは、欧州財政危機が長期化し、米国の景気回復が遅れ、中国の成長もスローダウンし、世界経済の低迷が避けられない状況で、内需も不振に陥ると判断したためとみられる。
韓銀は今年の民間消費の伸びを当初2.8%と予測していたが、2.2%に下方修正した。家計債務が増えた上、住宅市場も不振なことが理由だ。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/14 12:37
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/14/2012071400567.html

中国の成長率8%割れ、チャイナリスク浮上



過去数年間、農村出身の労働者が故郷に帰り、労働力が不足していた中国南部の広東省では、今年に入り全く正反対の現象が起きている。
化学、鉄鋼などの分野で輸出が前年比30-40%落ち込み、工場の雇用が減少したため、一転して就職難が発生したのだ。
広東省深セン市にあるバッテリー工場の経営者は
「民工荒(農村出身労働者の不足)という言葉は消え、急速に上昇した賃金水準も低下している」
と述べた。

13日に発表された中国の第2四半期(4-6月)の経済成長率が7.6%となり、2009年第2四半期以来3年ぶりに8%以下に落ち込んだ。
「保八」(経済成長率を8%台維持するという意味)が達成できず、世界経済で最後のとりでだった中国経済が揺らぎ始めた格好だ。
第1四半期の8.1%に比べると、0.5%の落ち込みだ。中国の経済成長率は6四半期連続で低下した。

7.6%という成長率は、市場予測(7.6-7.7%)並みで、金融市場には特に影響を与えなかったが、世界経済の回復が遅れた場合、輸出依存度が高い中国経済がハードランディングするのではないかという懸念が浮上している。

■揺らぐ成長の軸

中国の経済成長が減速したのは、欧州財政危機の余波で輸出が減り、投資と消費が冷え込み、経済をけん引する三つのエンジンがいずれも機能低下に陥った結果だ。
中国国家統計局によると、今年上半期の中国の輸出は9.2%の伸びにとどまり、2010年(31.3%)と昨年(20.3%)に比べ大幅に鈍化した。

輸出と並んで中国の経済成長を支える投資と消費も伸び悩んだ。
上半期の固定資産投資の伸びは20.4%で、前年同期(25.6%)を5.2ポイント下回った。
上半期の消費の伸びも14.4%で、前年同期(16.6%)には及ばなかった。

中国経済が構造的な危機に直面しているとの分析も聞かれる。
中国経済はこれまで年30%近い投資の伸びに頼り、高度成長を維持してきた。
しかし、投資の主役だった中国の地方政府が多額の負債を抱え、投資余力を失った。
今年上半期の国営企業部門とインフラ部門の投資は伸びがそれぞれ13.8%、4.4%となり、全体平均を大きく下回った。

中国社会科学院の経済学者は
「中国経済が9%以上の高成長を謳歌(おうか)した時代は終わった」
と述べた。
問題は中国経済が咳をすれば、韓国も風邪をひくという点だ。
 中国は韓国の輸出の4分の1を占める最大の市場だからだ。


■第2四半期に底入れか

一方、中国経済が第2四半期に底入れし、下半期に8%台の成長を回復するという楽観的な見方も少なくない。
野村証券の張智威チーフエコノミストは
「今年5月以降、新規融資が伸び、電力消費量が増加に転じるなど、マイナス要因よりはプラス要因が目立つ」
と指摘した。
北京大の教授は
「今年上半期の投資低迷は、中国が権力交代期の社会不安とインフレを懸念し、住宅、土地など不動産市場全般を引き締めたことが要因の一つだ。
国家発展改革委員会が地方政府の大規模投資プロジェクトを解禁しており、下半期には景気が回復する」
との見方を示した。

成長鈍化に陥った中国が追加的な景気刺激策を取るのではないかとの見方もある。フィナンシャル・タイムズは、専門家がインフラ投資など中国政府の財政支出拡大が近いと分析していると報じた。ただし、中国政府の官僚は、4兆元(約50兆円)を投じた2008年のような大規模な景気浮揚策を取る計画はないと強調しているという。

■保八とは

社会安定を図るため、少なくとも年8%の経済成長を維持するという中国政府の政策。
1997年にアジア通貨危機が起きた当時、朱鎔基首相が初めて提唱した。
中国は8%の成長率を維持すれば、年間900万人分の雇用創出が可能としている。
中国政府は2004年から通年の成長率目標を8%としてきたが、今年は初めて7.5%に予測値を引き下げ、「保八」政策を放棄した。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/14 12:39
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/14/2012071400569.html

中国の成長鈍化、韓国に影響必至

中国国家統計局が13日、第2四半期の経済成長率を7.6%と発表したことを受け、韓国企業には中国発の「寒冷前線」が接近した。
ある石油化学メーカーの関係者は
「欧州に続き、中国まで低迷に陥れば、韓国の輸出企業は出口を失う」
と嘆いた。

中国は韓国にとって最大の輸出市場で、輸出全体に占める割合は23-24%に達する。
それだけに中国経済の低迷は、韓国経済を直撃する。
現代経済研究院は、
中国の経済成長率が1ポイント低下すると、
 韓国の輸出の伸びが1.7ポイント、
 経済成長率が0.4ポイント低下する

と試算している。

今年上半期の対中輸出は既に前年同期に比べ1.2%減少しており、業界の不安は高まるばかりだ。
中国への輸出がこれまで毎年2けた台のペースで伸びてきたのに比べると、明らかな落ち込みだ。
LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員は
「中国は韓国から輸入した中間財、資本財で完成品を作り、欧州に輸出してきた。
中国の対欧州輸出が打撃を受け、韓国の対中輸出も減少している」
と分析した。

対中輸出への依存度が高い業界は、非常事態を迎えた。
石油化学、鉄鋼、半導体、建設機械、液晶パネルなどの業界が大きな衝撃を受けると予想されている。
実際に今年上半期の対中輸出で、一般機械は前年同期比12.9%減、家電は14.2%減となった。
石油化学メーカーの関係者は
「中国市場がさらに冷え込めば、苦戦を強いられる韓国企業が続出するのではないか」
と述べた。

財界では
中国の景気低迷が4-5年続く
という暗い予測も示されている。
大韓商工会議所のソン・ヨンギ・マクロ経済チーム長は
「原材料、副資材が対中輸出の70%を占めるため、
 対中輸出が回復しない限り、韓国企業を取り巻く事情が改善することはない

と述べた。

しかし、一部には中国政府が積極的な景気浮揚策を取るのではないかという見方もある。
韓国石油化学協会のキム・ピョンジュン研究調査本部長は
「中国が昨年4月から本格化した金融引き締め政策をこれ以上継続することは難しく、景気浮揚策に転じる可能性が高い」
と指摘した。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/14 12:36
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/14/2012071400564.html

中国の成長率が8%割れ、韓国も予測下方修正

中国の四半期ベースの経済成長率が3年ぶりに8%以下に落ち込み、世界経済が揺らいでいる。
中国国家統計局は13日、第2四半期(4-6月)の経済成長率が前年同期比7.6%の伸びにとどまったと発表した。

中国政府がこれまで目標に掲げてきた「保八」(経済成長率を年8%台に維持すること)は達成できなかった。
中国の成長率が8%を割り込むのは、2009年第2四半期以来初めてだ。
中国経済は08年第3四半期まで、10%前後の高成長を記録していたが、世界的な金融危機の影響で08年第4四半期から09年第2四半期にかけ、成長率が8%に満たなかったが、その後は再び8%以上の成長を達成してきた。

今回の成長率低下は、欧州財政危機の余波が中国をはじめとするアジアと新興市場の実体経済に本格的な影響を与え始めたことを示している。
また、中国の高成長に支えられ、世界的な金融危機による影響を克服した2008年-09年とは異なり、今回は中国も財布のひもを締めていることから、世界的な景気低迷が長期化する可能性がある。

中国は韓国だけでなく、日本、オーストラリア、ブラジル、チリにとって最大の貿易相手国だ。
モルガン・スタンレーの新興市場ファンド運用責任者は
中国の成長鈍化は、新興市場が高成長する時代の終わりを意味する
と述べた。
経済専門家は、中国に輸出の約4分の1を依存する韓国にも衝撃が避けられないとみている。

韓国銀行(中央銀行)も同日、韓国の今年の経済成長率見通しを従来の3.5%から3.0%へと大幅に下方修正した。
これは政府によるこれまでの予測値(3.3%)や民間シンクタンクの予測値(3.1-3.2%)を下回るものだ。

韓銀は今年の民間消費が2.2%の伸びにとどまり、これまで成長を支えてきた輸出の伸びも4.4%に鈍化すると予想した。
韓銀のシン・ウン調査局長は
「欧州財政危機による先行き不透明感の拡大など、景気の下振れリスクが高まった点を考慮し、成長率予測を下方修正した」
と説明した。
韓銀は前日に基準金利を0.25%引き下げたのに続き、韓国経済の先行きに警告を発した形だ。

サムスン経済研究所のキム・ドング上級研究員は
「せめて3%成長を達成する上でも、政府と民間による努力が必要だ」
と指摘した。


韓国は経済に貿易の占める割合が40%。
ということは、外需国家であり、貿易の浮き沈みに一喜一憂する構造になっている。
これまでの韓国ははるか前にとっくに成長が止まっていた。
通常ならユーロよりも早く不況の波をかぶるはずであったが、それを何とか引き伸ばしたのが中国への依存による貿易の拡大。
だがその結果、中国の占める割合は韓国貿易の1/4にまでなってしまった。
今年の初めころは、さらなる経済成長を豪語して中国への傾斜を看板に掲げた。
でも、1/3になったらどうなる、さらには40%になったらどうなる、なんてことはまったくだれも考えないというお気楽さ。
つまり、自国が中国経済の傘下にはいり、中国の顔色を見ながら生き延びる国家になるということを、分かっていながら知らんぷりしていた、というなんとも哀れな民族思考。

今、中国の経済失速が顕になって大騒ぎ。
さあ、どうしらいいだろう。
でも、対策は相手国頼み。
これではどうにもならない。
どうしたらいいだろうって言ったって、ネエ?
身から出た錆、だろう。

わずか1カ月半まえには
揺るがぬ存在となった韓国経済:大国韓国の成功の公式
などと言っていたのに、アッという間のこの慌てふためく有様は、ちょっと異常。
もしかしたらすでにこれからの苦境は分かっていて、その前に少しだけでも
口先だけの自己満足の美酒に酔いしれたかった
のかもしれない。
としたらマスコミの心得としては最低のレベルであるが。
これではまるで、
揺るがぬ存在となった韓国経済の脆弱性の公式
である。

「中国は韓国だけでなく、日本、オーストラリア、ブラジル、チリにとって最大の貿易相手国」
と言って韓国だけでないことを強調しているようだが、これはどうか。
日本の経済に占める貿易は15%ほど。
最大の貿易国はアメリカ。
それ以外はだいたい10%前後と均等に貿易地域を分散している。
リスク回避はそれなりに対応している。
よって、中国の景気後退は
「痛くはあるが、支障はない」
といったところ。

問題はオーストラリア。
ここも数年前から不景気。
それを国際機関は優等生と評した。
なぜなら中国への資源輸出がそれを補ってあまりあったから。
つまり、いまのオーストラリア経済は韓国と同じく中国でもっているようなもの。
もしかしたらそれよりひどいかもしれない。
韓国は中国が咳をすると風邪をひくと評したが、オーストラリアは寝込んでしまうだろう。
これは確かなことだ

ブラジルやチリという遥かな国々を持ちだして、自国の傷口を舐めてもしかたるまい。
それに南米諸国では比較のしようがあるまい。
分かっていてもすがりたいという、心情なのかもしれないが。


朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/17 08:02
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/17/2012071700493.html

上場企業の設備投資、上半期は70%減

韓国取引所は16日、今年上半期に上場企業(店頭市場コスダックを含む)の新規投資金額が6兆1299億ウォン(約4200億円)となり、前年同期を70.5%下回ったと発表した。
欧州財政危機や中国の成長鈍化など外部環境の先行き不透明感が高まり、設備投資の見送りや撤回が増えているためだ。
上場企業の新規投資がこれだけ落ち込むのは、海外輸出の割合が高く、雇用創出効果が高い大企業ほど、設備投資を大幅に抑制していることを示している。

韓国の太陽電池最大手OCIはこのほど、全羅北道の群山市と扶安郡にまたがるセマングム産業地区に3兆ウォン(約2060億円)以上を投資する予定だった工場新設計画を一時保留することを決めた。
太陽電池の素材となるポリシリコンの最大市場である欧州で財政危機が長期化し、国際相場が急落したためだ。
OCIは工場新設を先送りし、既存工場で設備を増設する方針に転換することで、今年の設備投資を抑制する。

問題は、下半期にも設備投資が回復の兆しを見せていないことだ。
サムスン電子、LGディスプレーなどは、半導体、液晶パネルの生産設備発注を先送りするなど、投資規模を縮小する動きを見せている。
供給過剰が続いている上、最大市場である欧米で発注減少が予想されるための措置だ。
半導体、液晶パネル業界各社は、連鎖的な業績悪化が避けられない状況だ。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/07/18 10:00
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/18/2012071800874.html



膨らむ鉄鋼在庫、不況とダンピングの二重苦

「今年の危機感は壬辰(じんしん)倭乱(文禄・慶長の役)当時に匹敵するほど大きい

韓国鉄鋼大手ポスコの鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長は、今年1月の仕事始めに鉄鋼業界が直面する危機についてそう強調した。
それから半年がたった今、韓国鉄鋼業界は最悪ともいえる苦境のさなかにある。
1990年代末期のアジア通貨危機、2008年の世界的な金融危機では、中国など海外市場で突破口を見いだすことができた。
しかし、現在は内需までも海外メーカーに食われている状況だ。

■鉄鋼在庫、前年比19%増

韓国鉄鋼協会は17日、今年5月末現在で、韓国の鉄鋼在庫量が451万9681トンとなり、前年同期に比べ19%増えたことを明らかにした。
昨年5月末に379万6100トンだった鉄鋼在庫量は、昨年末に400万トンを超え、今年に入っても増え続けている。
鉄鋼需要が急減したためだ。

まず、最大の需要先だった建設業界は、08年の金融危機以降、低迷に陥ったままだ。
造船業界でも受注が減り、鋼材の在庫が膨らんでいる。
鉄鋼業界の関係者は「昨年までは過去に受注した船舶のおかげで鉄鋼需要が堅調だったが、今年からは金融危機後の不況による船舶受注減が反映され、船舶に使われる厚板の販売が大きく落ち込んだ」と説明した。
このほか、造船業界の受注が鉄鋼使用量の少ない海洋プラントにシフトしていることも鉄鋼業界には悪材料だ。
需要急減を受け、東国製鋼は先月10日、年産100万トンの浦項第1工場を突如閉鎖した。
鉄鋼業界では極めて異例のことだ。

■内需市場も守れず

韓国の鉄鋼メーカーは、国内市場も脅かされている。
今年1-5月の鉄鋼輸出は前年同期比15%増の1128万3396トンと好調だったが、国内販売は4.7%減の2313万8736トンにとどまった。
成長が鈍化している中国と長期不況にあえぐ日本からの鋼材の流入が増えたためだ。
鉄鋼業界では、中国メーカーが増値税還付などの優遇措置を活用し、低価格で輸出を行い、韓国の鉄鋼市場で価格秩序が崩れていると不満を漏らす。

現代製鉄の関係者は
「90年代の通貨危機当時は、景気が良かった欧米に輸出を行い、為替差益まで得ることができた。
リーマンショックの際にも中国市場が急速に回復し、中東の建設市場も好調だった。
しかし、今回の危機は全世界が不況に陥り、好調な市場がほとんどない状況だ」
と説明した。
2010年前後に韓国の鉄鋼メーカーが一斉に厚板の生産設備を増強したことも、現在はむしろ重荷となっている。

韓国電力公社が電気料金の値上げを検討していることも、電力消費量が多い鉄鋼業界にとっては悩みの種だ。
鉄鋼メーカー関係者は
「下半期の見通しが不透明な中で、電気料金などコスト負担が増大すれば、価格競争力はさらに落ち込む」
と懸念した。
世界鉄鋼協会(WSA)は今年5月、今年の鉄鋼需要の伸び率を当初予測の5.4%から3.6%に下方修正している。




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