2012年6月1日金曜日

日中対決:日米中、黄海で「第2の冷戦」の兆し

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/01 10:59
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/01/2012060100991.html

日米中、黄海で「第2の冷戦」の兆し
日本、イージス艦の派遣を検討
米国「必要な場合には空母を派遣」
中国、8月に空母就役


西海(黄海)が日本、米国、中国のぶつかる場に変わる兆しを見せている。
中国は今年8月に航空母艦「ワリヤーグ」を就役させる予定で、日本は西海にイージス艦を派遣する案を検討している。
米国もまた、必要なときにはいつでもこの海域に空母を送るという立場だ。

■天安爆沈事件で西海への関心高まる

西海は、2010年に発生した北朝鮮による哨戒艦「天安」爆沈事件以降、国際社会の注目を集め始めた。
米国は同事件直後、空母「ジョージ・ワシントン」を送って韓米合同演習を実施しようとした。
すると中国が強く反発し、米中が公の場で舌戦を繰り広げるなど、神経戦を展開した。
北朝鮮は天安事件から8カ月後、今度は延坪島を無差別砲撃した。

西海にイージス艦を派遣することを検討している日本の防衛省は、表向きは北朝鮮のミサイル発射探知を理由にしている。
これまで日本のイージス艦が西海に入ってきたことは一度もない。
これに対し
「北朝鮮の問題を掲げて中国をけん制しようという、高度な政治的意味を内包している」(韓国政府関係者)
という分析がなされている。
西海は、中国の首都・北京に向かうに当たっての要所という点から、中国は鋭く反応している。

■東シナ海・南シナ海での対立の延長

日米中は既に東シナ海、南シナ海をめぐって対立を繰り広げており、西海もまたこの延長線上で大国の衝突水域になりかねない、という指摘が出ている。

中国は、世界第2位に上った経済力を基盤に、東シナ海や南シナ海の制海権を掌握する政策を推し進めている。
資源の確保と中国の影響力拡大のため、最高速力で海洋政策を展開している。

中国海軍が推進している3段階の目標によると、2020年までに、グアム・サイパン・インドネシアを結ぶ「第2列島線」までの作戦を可能にするという。
さらに2050年までに、全世界の海で五星紅旗が翻るようにする、というのが中国海軍の目標だ。

こうした戦略の下で中国は、日本と領有権を争っている尖閣諸島(中国名:釣魚島)近海で2010年9月に起こった衝突事件に対しても、極めて強硬な立場を取った。
また中国は、南シナ海問題で東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟各国はもちろん、米国とも衝突している。
特に中国は、近海で他国の海洋接近を許さないという「接近阻止」戦略を駆使し、毎年10%以上も国防費を増やしている。

これに対し米国は、西海を韓米合同作戦地域と見ている。
韓米両国の動きとは別に、日本のイージス艦派遣は、西海を紛争地域にする危険性を高めかねないと指摘されている。

■済州海軍基地は依然として難題

米中日が西海で対立を繰り広げている中、韓国は周辺海域での紛争に備える済州海軍基地の建設すら、一部左派団体の反発のため工事が遅れている。
韓国政府は、日本や中国など周辺諸国との海洋紛争や南方海上交通路の保護などのため、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代から済州海軍基地事業を進めてきた。

しかし、李明博(イ・ミョンバク)政権になり、一部左派団体の反発のため、工事が13カ月遅延した。
現在、工事の進捗度は15%にすぎない。韓国海軍は、2015年12月までに工事を仕上げ、鎮海と釜山に分かれている機動戦団を済州に配備し、日本や中国との海洋紛争に備えようとしている。
この基地には、大小約20隻の艦艇・潜水艦が配備される予定だが、工事が完了するまでなお難しい過程が残っている。




レコードチャイナ 配信日時:2012年6月4日 13時33分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61816&type=0

<レコチャ広場>中国と日本、どちらがアジアのボスなのか?―中国

 2012年5月31日、中国の時事評論家、李[火韋](リー・ウェイ)氏は
 「中国と日本、どちらがアジアのボス?」
と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博報に掲載した。
 以下はその内容。

 日本はアジアのボスの地位を中国に奪われることが心配でたまらないようだ。
 沖縄で開かれた太平洋・島サミットで、太平洋の島しょ国に今後3年間で最大5億ドル(約400億円)の資金援助をすることを表明した。
 中国も島しょ国にはかなりの援助をしている。
 中国に対抗して地域のリーダーとしての地位を向上させたい考えなのだろう。

 だが、それほど心配することはない。
 中国と比べ、日本は依然としてかなり優勢だ。
 1人当たり国内総生産(GDP)は3万2000ドル(約250万円)で、中国の8200ドル(約64万円)の4倍以上。
 日本の昨年の特許申請数は34万件を超え、中国の3倍以上に上っている。

 日本の相対的貧困率(すべての国民の所得を順番に並べ、中央の値の半分より低い人の割合)は16%。
 国の貧困人口(年収2300元=2万9000円以下)は約1億人だ。
 だが、発展の勢いでみると、中国の経済成長率は過去数年、毎年平均9%増を維持しているのに対し、日本は一昨年がマイナス、昨年は0.3%増にとどまっている。

 日本の債務残高はGDPの208%だが、中国は40~70%。
 中国政府の発表と香港の専門家の推計に大きな差があるため、こうした表現になってしまうのだが。
 軍事費も日本の600億ドル(約4兆6800億円)に対し、
 中国は1000億ドル(約7兆8000億円)

 日本は今年、増額したとはいえ、中国とはまだかなりの開きがある。

 第2次大戦中、日本は確かにアジアのボスで、やりたい放題だった。
 だが、終戦後、米国にその座を奪われる。
 一方、中国は過去100年の間にやられてばかりの弱い国から、誰も手を出せないほどの大国へと変貌。
 日本とはちょうど真逆の道を歩んでいる。

 いろいろ並べたが、結局、アジアのボスと呼ぶに相応しいのは中国なのか、それとも日本なのか?実はそのどちらでもない。
 アジアで依然として幅を利かせているのは米国なのである。





朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/05 09:52
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/05/2012060500744.html

【社説】海自イージス艦の黄海派遣、韓国は歓迎すべきか

 韓国大統領府(青瓦台)の高官は3日
 「西海(黄海)の公海上で“航海の自由”が完全に保障されることは、韓国の安全保障上の利益に符合する。
 北朝鮮がミサイルを発射した場合、日本がイージス艦を西海に派遣することに反対しない」
と語ったという。

 日本は今年4月、北朝鮮が長距離ミサイルを発射したとき、東海(日本海)と東シナ海にそれぞれイージス艦を派遣していたが、発射を探知できなかった。
 その後、日本は北朝鮮がさらなるミサイル発射を予告した場合、西海であれ東海であれ、「発射地点周辺海域」にイージス艦を派遣するという案を検討してきた。
 日本メディアは最近、日本政府がこの方針を間もなく発表すると報じた。
 大統領府関係者の発言の背景には、こういう事情がある。

 国際法の上では、日本のイージス艦でも他国の軍艦でも、公海上を通って自由に西海に入ることができる。
 ロシアの軍艦も今年4月、西海に入って青島近海で中国と大規模な合同軍事演習を行った。
 大統領府の関係者は、特定の1国が西海を自分たちの庭のごとく考えないようにするためには、どの国の軍艦でも公海上を自由に往来できるようにするのがよい、と判断したらしい。
 それはむしろ、韓国の安全保障にも役立つという。
 しかしこの問題は、そう簡単に判断できる事案ではない。
 大国の軍艦が、自分たちの庭のように西海に出入りする場合、西海が「平和の海」になるか、あるいは紛争の危険がさらに高まるかもしれないという点について、まず冷静な分析を行わなければならない。

 西海は、韓国・北朝鮮と中国にとって、準内海的性格を持つ海だ。
 歴史的にも地政学的にも、極めてデリケートな場所といえる。
 日清戦争のときは清の北洋艦隊と日本の海軍が、日露戦争のときはロシアの太平洋艦隊と日本の海軍が、この海で海戦を繰り広げた。
 そしてその結果、韓半島(朝鮮半島)がどのような運命をたどったかは、誰もが知っている。

 2010年11月末、北朝鮮による延坪島奇襲砲撃への対応として韓米合同軍事演習を実施するため、米国の航空母艦「ジョージ・ワシントン」が西海に向かった。
 すると中国は「中国の安全保障に対する挑戦」として激しい反応を示した。
 北朝鮮が延坪島に砲弾を降らせた状況で、同盟国の韓国と米国が北朝鮮の再度の挑発に備え訓練を行うのは、極めて当然の措置なのにもかかわらず、中国はデリケートに反応した。

 中国は、西海から南シナ海に至る海上の制海権を握るため、海軍力を増強しようとしており、東シナ海や南シナ海の複数の島をめぐり、日本・台湾・ベトナム・フィリピンなどと絶えず争っている。
 日本のイージス艦の西海派遣は、北朝鮮の挑発を防ごうという名分でのこととはいえ、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権をめぐる日中間の紛争が、いつ、いかなる形で拡大するか分からない状況では、問題をさらに複雑にする素地もある。
 日本のイージス艦が西海で常時活動することを、韓国政府が「歓迎する」と語ってもよいほどに、単純な状況ではない。





 【気になる2012(Ⅲ)】  


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