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NICHIGO PRESS 2012年6月4日
http://nichigopress.jp/ausnews/science/38962/
「成長期に必ずしも肉は必要ない」と栄養学者の研究
「適正な栄養配分を考えれば植物食だけで十分」
6月4日付の医学専門誌「Medical Journal of Australia Open(MJA Open)」は、これまでの通念を覆し、妊婦や成長期の児童にも食物に肉は必要ではないとする論文を掲載している。
この研究論文では、
「適正な栄養配分を考えさえすれば、植物基本の食物でも、子供から大人まで年齢を問わず十分な栄養が取れる」
と結論している。
これまでの通念では、成長期の身体には、タンパク質や鉄分など肉食に結びついた栄養素が必要だとされていた。
この研究は、オーストラリアの朝食シリアルなどの食品メーカー、サニタリウム社の栄養学研究者3人、シドニーで営業する栄養士1人、ニューカッスル大学研究者などが、国内海外の学者と共同で進めてきたもの。
ABCラジオ・ナショナルに出演した栄養学者のローズメアリー・スタントン博士もこの研究結果を支持し、
「伝統的な通念を打破する成果。
菜食でも十分な栄養が取れると言うことは長年分かっていたが、この研究は具体的にすべてのデータを揃えて証拠として提出しており、誰でも納得できる内容になっている。
1日前後の間に様々な植物性の食品を摂っている限り、人間の身体は必要なアミノ酸を吸収することができる。
だから、種子とナッツ類を一緒に取れだの、特定の食品を一緒に摂らなければならないだと細かいことを言う必要はない」
と語っている。
さらに、
「鉄分摂取量がよく問題にされ、肉を食べないと鉄分が不足するというような言説があるが、これは何か勘違いしている。
肉を買えないからとか、十分な食べ物を買えないから仕方なく菜食している人と、様々な種類の植物性食品を食べられる人をごっちゃにしている。
たとえば、皿から肉を取り去れば、代わりに豆、穀類、種子、ナッツなどを補わなければならないということ。
妊娠中の女性は、植物性の食事でも鉄分を十分に摂ることができるようになる。
なぜなら、身体が鉄分を必要とするからだ。
また、1回の食事の量で言えば、穀類は肉の2倍程度のタンパク質を含んでいる」
と語っている。
また、
「栄養学者として言うと、徐々に植物性の食事に切り替えていくことが望ましいが、肉を完全に排除する必要はない。
いろんな物を食べることが大事だ。
よく、
『いちばん栄養のある野菜は何ですか?』
と訊かれるが、
「いろんな野菜を食べなさい」
としか言えない。
一種類の食べ物で栄養を言ってもダメだ。
ビタミンB12は肉に含まれているが、酪農食品や卵を食べていれば肉を食べる必要はない。
ただし、動物性食品を一切食べないベーガン(菜食主義者)の場合はビタミンB12栄養剤を摂る必要がある。
この栄養は、妊娠女性や幼児には特別に必要なビタミンだ」
と語っている。(NP)
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