_
『
朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/03 10:23
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/03/2012060300160.html
【コラム】給油所でバイトを続ける日本の世界王者
「有名になったからといって変わるつもりはない」…職業的完成度にこだわる日本人
「拡大志向」の韓国、急速に成長したがモラルは「?」
…いまだ遠い「品格」
先日、日本への出張中に、世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフライ級チャンピオンの佐藤洋太選手のストーリーに接した。
ホテルの部屋のテレビで見た佐藤選手の人生は、限りなく波乱万丈だった。
佐藤選手は底辺から出発したボクサーだった。
歓楽街の路地裏を転々とし、試合中に脳振とうを起こして1年間リングから離れた時期もあった。
しかし雑草のように再び立ち上がり、1カ月前に世界タイトルを獲得した。
満27歳、ボクサーとしては若くない年齢だった。
私が感動したのは、その後の近況だった。
テレビ画面には、作業服を着てガソリンスタンドで働く佐藤選手の姿が映し出されていた。
チャンピオン獲得後も佐藤選手は、時給1000円のアルバイトを続けていた。
上京してからずっと続けてきた仕事だという。
佐藤選手は
「少し有名になったからといって、変わるつもりはない」
話した。
愚かなほど強烈な自己執着だった。
合理性の尺度で見れば「1000円のアルバイト」はばかみたいな行為だ。
しかし、目の前の利益よりも自己流を選んだ佐藤選手のこだわりを、私は
日本特有の「美意識」
と解釈した。
ボクサーとしての佐藤選手の生命は、人生の底辺で得たハングリー精神だ。
それを失えば、自分の職業の完成度が崩壊するということを、佐藤選手は言いたかったのだろう。
日本には佐藤選手のように「愚直な人」が至る所にいる。
いくら有名になっても古びた店を守り続け、次の代に引き継いでいく匠(たくみ)の事例は、掃いて捨てるほどある。
ある分野を狭く深く掘り下げる専門家になることが、日本では最高とされる。
一方、韓国は拡大志向だ。
限りなく新しい拡大の道を進むのが、韓国では美徳のように思われている。
飲食店の経営がうまくいけば、支店を出し、ビルも建て、さらに金を稼ぐ機会を狙う。
大まかに単純化すれば、
韓国の職業観は「力動的」で、日本のそれは「感動的」
だ。
どちらが正しいとはいえないだろう。
拡大欲求に燃える韓国人の気質は圧縮成長の原動力となった。
限りなく新たなチャンスを探す驚くべき成功志向のおかげで、韓国は経済的に日本を追撃した。
購買力を考慮に入れた、韓国の昨年の国民所得(3万ドル=約240万円)は、日本(3万4000ドル=約270万円)に迫る勢いで、近く日本を追い越す見込みだ。
驚くべき経済的成功に、われわれ韓国人はプライドを持って当然だろう。
そのため
「日本は大したしたことがない」
と見下す傾向まで見られるようになった。
しかし経済以外での競争で、われわれは依然としてはるかに遅れている。
21世紀の国家間競争は、魅力と品格を競うソフトパワー競争へと舞台の中心を移した。
日本が「エコノミックアニマル」と呼ばれたのは昔のことだ。
日本は今「クール・ジャパン」という国家戦略を推進している。
クールな(かっこいい)魅力と国家ブランドを売り、富を創出しようという意味だ。
大げさに国家の品格を取り上げて悪く言うまでもない。
周りの日常生活を見ただけでも、韓国社会には後進国型の反則や恥知らずの小ざかしい手口があふれている。
麗水国際博覧会が近づく中、まず問題として浮上したのは、ぼったくり料金だった。
外国人から金をぼったくるのが愛国だと思い込んだり、おかずの再利用(一度出したおかずを別の客に出すこと)のような手口が横行するのが、まさに韓国の今の水準だ。
所得では先進国に近づいたかもしれないが、品格の面は先進国と口にするのもおこがましい。
白昼堂々と
「大便デモ(ストに参加していた市営バス労組の職員が、全州市庁前で排便した事件)」
が起き、政権末期になるたび、側近の汚職が浮上する。
ありとあらゆるデマで世の中を惑わす中途半端な専門家や政治家たちが、依然として大手を振っている珍しい国が韓国だ。
パイシティー汚職事件(ソウル市良才洞の物流団地「パイシティー」の許認可をめぐる贈収賄事件)が日本で起きていたら、おそらく数人は自殺しただろう。
自殺を美化するつもりはないが、少なくともお金を受け取った公務員が、個人的な支援だった、などと恥知らずな言い訳をするようなことはないはずだ。
光復(1945年8月15日。日本による植民地支配からの解放)以降、韓国の国家目標は
「日本に追い付け」
だった。
目標の半分程度を達成しただけで
「日本も大したことはないな」
という話が出るたびに、胸がドキンとする。
朴正薫(パク・チョンフン)記事企画エディター
』
エラクこのひと謙虚だな。
なにか、こわそう。
_