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CNN..co.jp 2012.06.26 Tue posted at: 12:13 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/30007118.html
中国の学生は米国の大学を目指す
留学生殺到の理由は
米国の高等教育は、大卒資格のコストパフォーマンスなどを巡り国民的レベルでの熱い議論の的となっているが、米国にとって経済面での最大のライバルである中国で、米国の大学の人気は過去最高の水準にあるかもしれない。
そこには大きく3つの理由がありそうだ。
中国人は、初等・中等教育を非常に重視しているとともに、子どもが米国の大学に進学し、そして、出来れば
米国にとどまることを切望している
ようだ。
「私の息子(娘)は、プリンストン大学(または、ハーバード大学)に行く予定だ」
という話をよく聞いたが、その親に子どもの年齢を聞くと、
「3才です」
という答えが返ってくることもあるほど、早い時期からの教育熱は非常に高い。
教師、親、そして子どもたちと話してみると、中国人との3つの大きな違いが明らかになる。
第一の違いは、科学と技術、工学、数学の分野においては、中国の子どもの方が米国の子どもよりも、よく教育を受けているということだ。子どもに対する高い望みは、
米国と同様に一般的だ。
第二の違いは、中国の親たちは、子どもの教育のためにはほとんどなんでも犠牲にするということだ。
中間層の家庭では、可処分所得は、遊興費よりも教育費に向けられることが多い。
そして第三の違いは、中国人にとって米国の大学は、様々な欠点にもかかわらず、自由と個人主義、そして自己向上へと向かう道標だということだ。
中国人にとって米国の大学は、最大の成功の証しとなっている。
アジアには「出る杭は打たれる」ということわざがあるが、米国では出る杭は称賛が得られる。
米国にも改善の余地はあるし、より大きな成果を上げる必要もあるだろうが、いまだに無限の可能性の地でもある。
政治的には米国は、中国政府と対立関係にあるかもしれないが、中国人は、米国的な自主独立の精神に強い憧れを抱いている。
中国の学生に対し、英語に加えて、米国の高等教育機関で高評価を得られる態度や学習姿勢などを伝授することで米国への留学を手助けする組織も存在する。
その結果、米国の大学における中国人留学生の数は、過去2年間で倍増した。
2006~07年度には9955人だった中国人入学者は、翌年度には1万6450人となり、10~11年度には5万6976人になっている。
米国は、中国人の最大の留学先であり、彼らは、教育面でも経済面でも既にその成果を得るようになっている。
オバマ米大統領は11年2月、米IT産業の中心地であるシリコンバレーの有力企業家たちとの会合で、アップルのスティーブ・ジョブズ氏に、スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を中国でなく米国で生産するには何が必要かと質問したが、ジョブズ氏は、それは有り得ないと答えた。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、アップルの幹部は、巨大な海外工場や、海外労働者の柔軟性、勤勉性や熟練度のために、アップルのほとんどの製品が米国製には出来ないと考えているという。
中国人は、適切な準備の下に入学した場合には、米国の大学は大きな可能性を与えてくれることを理解している。
どのような学位を取得するのかについての明確な目標や、真剣な大学選び、財政面での裏付け、勉学への取り組み方への理解などが伴えば、米国の大学制度はいまだに世界最高である。
米国人学生が、同じように賢明かつ真剣に高等教育に取り組まなければ、米国の大学は、大きな志とやる気を持った海外からの学生に占拠されることになってしまうだろう。
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