2012年6月13日水曜日

豪州:チェンバレン失踪事件に結論

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●当時生後2カ月だったアザリア・チェンバレンちゃん(CNN)


●母親のリンディ・チェンバレン・クレイトンさん(CNN)



CNN..co.jp 2012.06.12 Tue posted at: 19:51 JST
http://www.cnn.co.jp/world/30006952.html

32年前の乳児失踪事件、野生のイヌの仕業と断定 豪州

(CNN) オーストラリア北部準州のキャンプ場で32年前に乳児が行方不明となった事件で、同州の検視官は12日、乳児がイヌに連れ去られて死亡したとの最終判断を下した。
 事件では母親が殺人罪で終身刑を言い渡されたが、その後判決が覆されていた。

 事件が起きたのは1980年8月。当時生後2カ月だったアザリア・チェンバレンちゃんが、巨大岩石ウルル(通称エアーズロック)近くのキャンプ場で姿を消した。
 母親のリンディ・チェンバレン・クレイトンさんは、テントに寝かしつけたアザリアちゃんがディンゴ(オーストラリア固有の野生のイヌ)にさらわれたと主張。
 しかし検察は、リンディさんがはさみでアザリアちゃんののどを切って殺害し、夫のマイケルさんとともに遺体を埋めたとの見方を示した。
 事件は国内の注目を集め、さまざまな憶測が飛び交った。

 エリザベス・モリス検視官は州都ダーウィンの法廷で、アザリアちゃんはリンディさんが寝かしつけた直後にディンゴが連れ去ったとの判断を示し、遺族に「心からお悔やみ申し上げます」と声をかけた。
 さらに「子どもが亡くなったつらさは、時がたっても消えることはありません」と声を詰まらせた。

 事件を担当してきたスチュワート・テイップル弁護士によると、傍聴者らは席を立ち、拍手でリンディさんらを送り出したという。
 法廷から現れたリンディさんらを、今度は報道陣が拍手で迎えた。
 「こんな場面は見たことがない」と、同弁護士は話した。

 リンディさんは法廷前で「決着がついてよかった。ほっとしている」と述べ、マイケルさんも「真実が明らかになった」と宣言した。
 長い闘いの間に2人は離婚し、それぞれ再婚している。

 ティップル弁護士は「私たちはこの31年間、目的を果たすまで進み続けるという覚悟を貫いてきた」「望んだ結果がきょう得られなければ、ただ闘い続けるのみだっただろう」と語った。

 事件は88年に「クライ・イン・ザ・ダーク」のタイトルで映画化され、女優メリル・ストリープが母親を演じた。




NICHIGO PRESS 2012年6月12日
http://nichigopress.jp/ausnews/law_news/39197/

「ディンゴがアザリアちゃんを連れ去り、殺害」
NT検視法廷、チェンバレン失踪事件に結論

 6月12日、北部準州(NT)の検視法廷は、
 「1980年、ウルルのキャンプ場で、単独または複数のディンゴがアザリア・チェンバレンを殺害した」
と、長年にわたって争われていた失踪事件に改めて判決を下した。

 この日、ダーウィンの検視法廷で、エリザベス・モリス検視官は、
 「あらゆる証拠から判断して、(オーストラリアでアボリジニの人々が持ち込んだ犬種)ディンゴが乳児アザリアの死の原因になった。
 アザリア・チェンバレンは、1980年8月17日、当時エアーズ・ロックと呼ばれていたウルルで死亡した。
 その死因は、ディンゴに襲われ、連れ去られた結果と考えられる。
 ディンゴが幼児を襲い、連れ去り、死に至らしめることができることはいくつもの証拠がある」
と判決主文で述べた。

 当時9週間だったアザリアちゃんの失踪は様々な憶測を呼び、検視法廷が4回開かれ、アザリアちゃんの母親リンディさん(現リンディ・チェンバレン=クレイトン)に対する殺人容疑裁判が開かれてリンディさんが有罪判決を受け、特別調査委員会も設立された。
 リンディさんも、当時リンディさんの夫で、アザリアちゃんの父親のマイケル・チェンバレンさんも終始ディンゴがアザリアちゃんを連れ去ったと主張していた。
 検視法廷ではディンゴがアザリアちゃんを連れ去り、殺害したと判断したにもかかわらず、リンディさんは殺人罪で有罪判決を受け、服役したが、1988年になって失踪現場に近いディンゴの縄張りで、引き裂かれた衣類が見つかり、アザリアちゃんが失踪当時着ていた物と断定された後、リンディさんは再審で無罪判決を受けた。

 リンディさんとマイケルさんに対する捜査陣の思い込みや、2人がキリスト教の安息日再臨派(Seventh-Day Adventists)という少数派教団信者だったことから、社会一般にも「教団は乳幼児を儀式の生け贄にしている」などのデマや偏見があり、さらに、事件後、リンディさんが感情を表す性格ではないことから一層社会がリンディさんを有罪とする空気が強まったとされている。

 判決で、モリス検視官は、「アザリアちゃんの死について、私は心から家族に同情する」と述べ、過去に両親が受けた仕打ちに対しても2人に同情を示した。廷外で、リンディさんは、涙をこらえながら、「ようやく決着がついてほっとしている」と語った。
 また、検視法廷の判決を受けて、改めてアザリアちゃんの死亡証明書が発行されることになった。




ロイター 2012年 06月 12日 13:11 JST
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE85B03R20120612



32年前の豪乳児失踪事件、「野犬が連れ去った」と結論

[キャンベラ 12日 ロイター] 
 オーストラリア中心部の巨大岩石ウルル(英語名エアーズロック)付近で32年前に生後9週間のアザリア・チェンバレンちゃんが失踪した事件で、北部特別地域(準州)の検視官は12日、アザリアちゃんが野犬の一種であるディンゴに連れ去られ、死亡したと結論付けた。

 北部準州のエリザベス・モリス検視官は、事件の関連証拠に基づき、アザリアちゃんの死は1匹または複数匹のディンゴによるものだと発表。
 死亡証明書には「ディンゴに襲われ、連れ去られた」と記されるべきだとした。

 「ディンゴ・ベビー事件」として知られるこの事件は、1980年8月17日にウルル付近のキャンプ場で発生。
 母親のリンディーさんがアザリアちゃんをテントの中に残した後、アザリアちゃんがいなくなり、行方不明となった。
 両親はアザリアちゃんがディンゴに連れ去られたと一貫して主張していたが、一時は有罪判決を受け、リンディーさんは3年間服役した。

 検視官による今回の調査は、ディンゴが人間を襲った複数の事件などに基づいて行われた。
 同事件は、米女優メリル・ストリープ主演で映画化されるなど、国内外で長年にわたり大きな注目を集めていた。

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NICHIGO PRESS 2012年7月28日
http://nichigopress.jp/ausnews/news_affair/40899/

ドイツ人旅行者、フレーザー島でディンゴに襲われる
州国立公園野生局レンジャー、パトロールを強化

 7月28日、QLD州サンシャイン・コースト沖のフレーザー島でドイツ人旅行者が2頭のディンゴに襲われ、重傷を負った。

 フレーザー島はディンゴの棲息地として知られており、また、砂の島として観光客にも人気があり、これまでもディンゴ保護と観光客の安全をめぐって見解の対立があった。
この事故を受けて、QLD州国立公園野生局のレンジャーが同島のパトロールを強化している。

 被害に遭ったのは23歳のドイツ人男性で、フレーザー島のホープ・バレー付近で過ごしており、同日朝、ツアー・グループからはぐれて単独で同島の遊歩道を歩いており、途中で横になって眠っていたところを襲われたもので、脚、腕、頭などに重傷を負った。
そのため、ヘリコプターで本土の病院に運ばれ、治療を受けた。容体は安定している。

 QLD州国立公園野生局のスポークスマンは、
「レンジャーのパトロールを強化しているが、観光客も住民も、政府の安全勧告に従ってもらいたい」
と呼びかけている。

 同島で11年前に、10歳の少年がディンゴに襲われ噛み殺されている。
労働党州政権は、同島のディンゴの数を減らすと約束していたが、その前に政権が自由国民党に移った。(NP)




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