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NICHIGO PRESS 2012年6月11日
http://nichigopress.jp/ausnews/science/39188/
国際的な共同研究で水温上昇は人為的な現象
科学誌「Nature Climate Change」で研究報告
6月11日付で発行された科学誌「Nature Climate Change」に掲載された論文は、
過去50年の海水温上昇は主に人為的な原因
だとしている。
この研究はアメリカ、インド、日本、TAS州の研究者が参加しており、
「大洋の海水温上昇の原因を調査したものとしてはもっとも総合的な研究」
としている。
この研究では、「12種のモデル」を用いてそれぞれの気候変動理論値を求め、過去50年間の大洋の海水温変動観測結果と比較した。
その結果、
①.海水温上昇の自然変動の影響は約10%程度で、
②.実際の海水温上昇の原因のほとんどは人間の活動による温室化ガスによるもの
と判定している。
研究報告共同筆者の一人、ホバートのジョン・チャーチ博士は、CSIROフェローで、オーストラリア気象気候研究センターで研究しており、
「この研究はかなり幅広いものであり、気候変動から自然的な変動の要素を取り除くことができた。
世界のすべての大洋で海水の表層部が一律に摂氏0.1度以上上昇してきた現象を自然的な変動だけで説明することはできない。
自然的な変動は、観測された総変化率のせいぜい10%程度にしかならない」
と述べている。
また、ネーサン・ビンドフ教授は、世界的に知られた海洋学専門家で、「気候変動に関する政府間パネル」アセスメント報告書を主に手がけてきた中心人物だが、
「地球上全体に蓄えられている気候変動量の90%は大洋に蓄えられており、
従って地球温暖化とは大洋の海水温暖化に他ならない」
と述べている。
さらに、
「この研究では、温暖化に働く温室化ガスと寒冷化に働く対流圏中の大気汚染という人為的な影響と、大洋の海水の自然変動や火山噴火などの影響とのバランスを取っている。
この報告書の重要な点は、初めて大洋の海水温が上昇していることは間違いないと確認したことであり、それも自然的な過程によるものではなく、温室化ガスの上昇に伴うものであることを明確にしていることにある。
また、地球温暖化の証拠は覆しようがない。
どこをどうつついても、人間が地球温暖化の原因をつくってきたことは間違いない」
と語っている。(NP)
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