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朝鮮日報 記事入力 : 2012/06/03 10:12
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/03/2012060300125.html
ハイブリッド車に懸けるトヨタ、中国で大逆転狙う
日本のトヨタ自動車が、ハイブリッドカーを前面に掲げ、中国市場での巻き返しを図っている。
向こう10年にわたり、中国の「環境配慮型」自動車市場でシェアを大きく伸ばしたい考えだ。
トヨタは、中国で直接ハイブリッドカーを生産することで、中国の自動車市場の勢力地図を一気に塗り替えることができると確信している。
■「中国さえつかめば世界はわれわれのもの」
4月24日、北京モーターショー内に設置されたトヨタの展示ブースを訪れた。
奥の中央ステージには、今回のモーターショーの主力モデルであるハイブリッド・コンセプトカー(デモンストレーション用の試作車)『雲動双擎』が誇らしげに展示されていた。
同車種は、トヨタが中国現地で開発・販売する予定の量産型ハイブリッドカーの原型となる。
トヨタは、中国でハイブリッドカーの人気が高まれば、
瞬く間に「トヨタの時代」が到来する
と信じている。
昨年トヨタの中国での販売台数は88万3000台と前年比4%増の伸びにとどまった。
これは、年間販売台数が200万台に上るフォルクスワーゲンやゼネラルモーターズ(GM)、100万台以上を販売する現代自グループ、日産に比べて、やや物足りない実績だ。
中国国内でのハイブリッドカーの販売台数も、昨年は約1000台にすぎなかった。
しかし、トヨタのハイブリッドカーが市場の5%を占めたとしても、台数にすれば100万台に上る。
一気に中国市場でのイニシアチブを握るようになるというわけだ。
豊田章男社長は4月23日、北京モーターショーで
「中国のハイブリッドカー市場をリードする自信がある」
と力強く語った。
トヨタは昨年、全世界で63万台のハイブリッドカーを販売したが、そのほとんどは日本や米国に集中していた。
■中国、政策をハイブリッドカーに転換
中国政府は2020年までに純粋な電気自動車と混合動力車などの生産・販売を500万台に増やす「新エネルギー自動車発展計画」をまとめた。
これは、原油高と都市環境の汚染に対する対策と、自国の自動車産業の育成などが目的だ。
しかし、比亜迪汽車(BYD)など地元メーカーが生産した電気自動車の普及は依然として進んでいない。
昨年の中国での電気自動車の販売台数は5000台にとどまった。
こうした中、中国政府はハイブリッドカーやプラグインハイブリッド(電気自動車とハイブリッドカーの中間形態)への方向転換を迫られた。
これに合わせてトヨタは、中国市場に一般の乗用車との価格差を大幅に縮めた
低燃費ハイブリッドカーを発売する
というわけだ。
トヨタは昨年10月、中国江蘇省常熟市にトヨタ自動車研究開発センター(TMEC)を設立した。
豊田章男社長、内山田竹志副社長(研究開発担当)、新美篤志副社長(生産技術担当)と、トヨタの「ブレーン3人衆」が全員参加した。
同開発センターには、トヨタのエンジニア200人が赴任しており、今後は1000人まで増やす予定だ。
ハイブリッドカーを独自開発し、14年を目標に販売する計画を温めている。
トヨタは、中国製のハイブリッドカーを第一汽車集団公司の天津工場と広州汽車集団の広州工場の2カ所で生産し、中国南・北部を同時に攻略する計画だ。
両工場は港湾につながっており、重要な部品を日本から調達しやすいほか、工場同士も海路を通じて部品を共有している。
中国のハイブリッドカー需要にいち早く対応できる体制をすでに確立したわけだ。現代自の工場が北京市内に集中し、起亜自の工場も港湾から200キロも離れた地域にあるなど、韓国メーカーが物流に困難を来しているのと比べると、対照的といえる。
■規模の経済で「使えるハイブリッドカー」の発売開始
09年に発売された第3世代「プリウス」は、価格が3000万ウォン(日本での販売価格は217万円)で、燃費はガソリン1リットル当たり32.6キロだ。
同クラスのガソリン車に比べて燃費は2倍も優れているが、価格が30-40%も高いため、経済性に欠けるとの指摘が多かった。
しかし、トヨタは今年から相次いで低価格のハイブリッドカーの準備に乗り出した。
最初の車種が今年1月に発売された「アクア」だ。
169万円と低価格だが、公認燃費(JC08モード)が1リットル当たり35.4キロを誇る。
3月の1カ月間で3万台も売れるなど、大人気を呼んでいる。
「アクア」の次の車種は、中国製のハイブリッドカーだ。
中国で開発・生産されるため、価格は2000万ウォン(約140万円)以下で、1リットル当たり40キロ以上の燃費を実現するものと推定される。
トヨタは、
「ハイブリッドカーで押し進める戦略」
に対する批判があるにもかかわらず、最終的には勝者になれると自負している。
その過程で年間1兆-2兆ウォン(約800-1600億円)の赤字を計上したとしても、それは未来への投資といった見方だ。
A&Dコンサルタントのユン・ジェソク会長は
「トヨタを見れば、未来の自動車市場をどのような武器で攻略すべきか、大まかな戦略が見えてくる」
と話した。
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